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第1回 PC管理のあるべき姿

 
本掲載ではPCライフサイクル・マネジメント運用管理上における負荷軽減やコスト削減につなげるための方法などを紹介します。

クライアントパソコンの運用管理に関しては、システム担当者にとって多くの人手とコストが発生しますが、現在の企業活動において、IT機器は無くてはならない存在です。
しかし、IT機器に関連するコスト抑制(削減)は、多くの企業における課題となっています。

近年、企業内で利用するパソコンの「導入から運用・保守、廃棄」までの一連を管理していくことを「PCライフサイクル・マネジメント(以下、PC-LCM)」と呼ばれており、この言葉を耳にされている方も多いと思います。
これらのサービス(全体や一部)を代行し、企業のコスト削減を担うサービスベンダーが多数あります。
しかしながら、その効果に対しては一定の認知をしながらも、はたしてどれ位のコスト削減になるのか?どこまでの業務範囲をアウトソースするのか等、検討しながらも気がついてみればシステム担当者が全てを行う状況(もしくは限定的な部分を外部委託)になっているのが、多くの実情ではないでしょうか。
本章ではPC-LCMを進めていく上で、重要な点などを検討していきたいと思います。

まず、PC-LCMにおける全体の大まかな流れは、図1の通りになると考えています。
図1:PCライフサイクル・マネージメント全体像

理想的なPC管理とは?

企業において、理想とするPC管理とはどのようなことを言うのかを簡単にまとめると、「手間(負荷)がかからずに会社のポリシー(セキュリティ)が動的に反映され、ユーザー・システム管理者が使いやすいシステム」と、言えるのではないでしょうか。

しかし、上記の理想を追求するには莫大な工数と時間を要し、とても現実的ではないのが実情です。
ユーザーへの負荷軽減を図れば、システム担当者への負荷が増し、その逆も然りです。
たとえば、システム担当者の負荷軽減(コスト削減)だけを目的に実施しても、その削減したはずの工数が現場ユーザーに振替えられていただけで、会社全体でみた場合の工数削減に至っていないようなケースが発生します。
どこまでをシステム担当者とユーザーで実施していくか、工数やコストをバランスよく検討しなくてはなりません。

PC-LCM管理のためのステップ1について

PC-LCM管理を実施していく上で、まず重要なポイントとなる「導入計画“標準化”」に関する検討について進めて行きましょう。
「標準化の検討」は非常に重要な初期ステップで、この検討結果によって運用フェーズにおける管理工数の削減の鍵を握るといっても過言ではありません。
それでは、「PC環境の標準化の検討をどのように進めていくか?」を考えて見ましょう。

PC環境の標準化を進めるための検討のひとつとして、“アプリケーション視点で標準化を実施する”を考えてみます。

この項目の検討事由として、近年各ハードウェアーメーカーが供給するPCについては、ハードウェアーの技術進歩やコスト削減による製造在庫レス化が進んでおり、同一構成PCのモデルサイクルが短命化してきています。
個人向けモデルだけではなく、法人向けモデルにおいても導入(稼動中)したPCと同一構成のモデルを追加で入手することが時間の経過と共に困難な状況となってきています。
導入(稼動中)のPCに合わせて標準化を策定した場合、導入する機器の構成(デバイス)が変わる度に検証等が発生し、検証工数やコストの負荷軽減を図ることが難しくなります。
それでは、アプリケーション視点での標準化検討について、下記のステップで検討してみましょう。
  1. 社内で利用されているアプリケーションの洗い出しを行います。
  2. 洗い出されたアプリケーションを、業務上の重要度、利用率、影響度 等からグループ分けを実施します。
    区分けグループ
    名称
    業務上の
    重要度
    ユーザーの
    利用率
    標準化に伴う
    環境への影響度
    標準業務
    アプリケーション
    高い 高い 特に無し
    準業務
    アプリケーション
    低い 高い 特に無し
    個別業務
    アプリケーション
    高い 低い 特に無し
    個別環境
    アプリケーション
    高い 低い 有り
    導入禁止
    アプリケーション
    低い 低い 有り
    検討
    アプリケーション
    低い or 不明 低い or 不明 不明
  3. 標準(準を含む)業務アプリケーションの仕様、検証結果から、PCの推奨環境構成を決定します。
  4. 「3」での結果から、ハードウェアーやOS、ドライバ等の制限事項をまとめます。
  5. 個別以降としたアプリケーションについての申請方法や導入対象を決定します。
  6. 以上の内容をPC構成仕様書として、ドキュメント化します。
業務アプリケーションから推奨環境構成を取り纏めることで、新規でPCを導入する際の選定基準が明確になり、工数やコストの削減が図れます。
  • 導入するPCが要件を満たしているか?
    ⇒検証等の工数削減を図ることが可能。
  • このコスト(価格)は適切か?
    ⇒不要な高スペックやオプションを見積りされていないか。

アプリケーション視点で標準化を実施すれば、仕様書の改定もアプリケーション変更時に実施すれば済むため、管理工数の低減に結びつくと考えます。

但し、この検討作業の全工程を自社内で実施することは、あまり現実的ではありません。
導入済みのPC機器での検証作業、制限事項の確認作業等、多くの人手とコストが発生するためです。
無理をすることで、計画の遅れを発生させ挫折する可能性が生じます。
したがってコストを明確化でき、計画性を提示することができる経験豊かなアウトソーサー(ベンダー)と協力しながら、短納期、低コストを実現する方向をおすすめします。
以上、計画・調達フェーズにおける管理ステップを簡単にまとめてみました。 標準化における切り口は他の手法もあると考えますが、如何でしょうか?

次回では、導入フェーズ以降の管理方法について紹介します。

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